共働き家庭の親にとって「子どもが言うことを聞かない」のは日常茶飯事ですよね。
「何度言っても聞いてくれない」「どうしてこんなに時間がかかるの?」
朝の支度や宿題を巡るバトルが毎日のように続くと、心身ともに疲れてしまうこともあるでしょう。
私自身も、2児の父として毎日がバタバタの連続。地蔵のように動かないイヤイヤ期の子どもへの対応は何度も泣かされました笑
しかし、実はそうした日々の葛藤の中に、親子の信頼を深め、自身の大きな成長につながるヒントが隠されています。
この記事では、2児の父として6か月間の育休を経験し、20年以上にわたり多くの親御さんのキャリア相談に乗ってきた私が、子どもの行動の「本当の意味」と、家族が笑顔になる「信頼を育むコミュニケーション術」を具体例とともに解説します。
子育ての悩みが、「親としての成長」と「これからのキャリアを支える力」につながるきっかけになれたら嬉しいです。
親のキャリア相談から見えた「隠れた悩み」とは?
キャリア相談に来られる共働き家庭の親御さんから、仕事の悩みと同じくらい多く聞かれるのが「子どもに関すること」です。
特に「子どもが自分の言うことを聞かず、子どもを動かすのに時間がかかるため、自分の時間が取れない」という声が多く寄せられます。
イライラの正体は親の焦り?子どもが動かない理由を知る
子どもが言うことを聞かないとき、親がイライラを感じるのは「言っても動かないことへの焦り」。
でも、その原因は、親の事情を子どもに押し付けている可能性もあるかもしれません。
たとえば、朝の忙しい時間に「早く起きて!」「着替えて!」と急かしても、子どもはどこ吹く風。親の語気はさらに強まり、焦りやストレスが積み重なっていきます。
こうした状態が続けば、気持ちの切り替えができないまま、仕事にも影響を及ぼす恐れがあります。
子どもの行動のウラ側にある「本当の気持ち」に気づく
子どもが問題行動を起こす理由は、単なる反抗心やわがままだけではありません。
親の期待に応えられないことへの不安や、「もっとかまってほしい」「愛されているか確かめたい」という愛情を確かめたい気持ちが隠されていることがあります。
そのようなときに親が叱りつけると逆効果になる可能性も。
そこで、まずは子どもの気持ちを理解し、その行動の背景に寄り添う姿勢が求められます。
この「気づき」こそが、豊かな親子関係を築くための第一歩なのです。
信頼関係を育むために親ができること
子どもは時に、親の愛情や限界を確かめるために、わざと親を困らせるような「試し行動」をすることがあります。
このような行動は、親としては非常に困ってしまうのですが、実は親への信頼を確かめるサインでもあります。
子どもの「結果」ではなく「プロセスや努力」に目を向ける
子どもが何らかの問題行動を起こしたり、期待通りの結果を出せなかったりした時、つい「どうしてできないの?」「なんでできないの!」というように子どもの行動の「結果」だけを見て評価しがちです。
しかし、親として本当に大切なのは、子どもが結果を出すためにどれだけ努力したのか、どんなプロセスで取り組んだのか、その裏側にどんな気持ちがあったのかに目を向けることです。
たとえば、テストで点数が悪かったとしても、子どもが一生懸命勉強した過程を認め、まずは「頑張ったね」とかの言葉を投げかけたうえで、「どうだった?」とか「次はどうしたらもっと良くなるか、一緒に考えてみようか?」と声をかける。
こうすることで、子どもは「結果が悪くても自分は認められている」と感じ、次への意欲を持つことができます。
この「結果」ではなく「プロセスと努力」にフォーカスする視点こそが、子どもの自己肯定感を育み、自ら考えて行動する力を伸ばす土台となります。
「行動は叱る、存在は肯定する」で築く揺るぎない信頼関係
子どもが何らかの問題行動を起こした場合、親はその行動に対して叱ることは必要ですし、時には毅然とした態度も必要です。
しかし、最も重要なのは子ども自身の人格や存在を否定しないことです。
たとえば、「あなたはダメな子だね」と言うのではなく、「その行動は良くないが、あなたは私にとって大切な存在だよ」と伝えることが大切です。これは、子どもの自己肯定感を育み、自分の存在が認められていると感じさせることで、親との信頼関係をより深く、強固なものにします。
この「行動は叱るが、存在は肯定する」というコミュニケーションが、子どもとの間に揺るぎない信頼関係を築き、親子の絆を深めるための鍵となるのです。
【まとめ】今日から実践!親子の絆を深めるコミュニケーション術
「子どもが言うことを聞かない」という日々のイライラは、決して無駄な感情ではありません。それは、親として、そして一人の人間として、成長するためのヒントにつながります。
この記事で解説したポイントを実践することで、以下のスキルを習得し、親子の絆を深めることができます。
- 子どもの行動の裏にある「本当の気持ち」に気づく力
- 「結果」ではなく「プロセスと努力」を評価する視点
- 「行動は叱る、存在は肯定する」という信頼関係を築くコミュニケーションスキル
日頃の行いを変えるのは難しいことと思いますが、まずは、子どもの言動や行動に対して受け止めることから始めてみることをおすすめします。
その積み重ねが、あなたの家庭を穏やかな場所へと変え、親子の絆を深めることにつながるはずです。
子育てにおけるコミュニケーションや仕事と家庭の両立でお悩みの方は、私がキャリアコンサルタントを務める「共働き夫婦のためのキャリア相談」の活用もどうぞご検討ください。