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仕事とキャリア

ブランク期間は履歴書にどう書く?|転職7回、ニート2年経験のキャリアコンサルタントが、空白期間をキャリアに変える方法を解説

ブランクの履歴書

就職や転職活動で欠かせない提出書類の一つでもある履歴書や職務経歴書。

みなさんが求人に応募する際は履歴書や職務経歴書を求人企業に提出、これらの提出書類をもとに書類選考や面接などが行われます。

しかし、下記のような状況に置かれている方は、自己PRネタが思い浮かばないなどの理由で、履歴書や職務経歴書の作成に苦労したりする方もいるかと思います。

自己PRのネタが出ない理由

  • ニートや無職、引きこもりなど、仕事の経験が乏しい
  • 学生時代に力を注いだ経験が見つからない
  • 専業主婦のため仕事を離れている期間が長い
  • 病気や介護、育児による休職期間が長い

そこで、転職7回、ブランク期間2年の経験を持つキャリアコンサルタントが、ブランク期間の効果的な自己PRのネタの出し方をご紹介します。

ニートやブランクOKの求人に応募する際にも活用できますので、よかったら参考にしてみてください。

筆者「キャリアリカバー®」プロフィール

  • 国家資格キャリアコンサルタント(登録番号16062528)
  • ”人生が変わる”キャリア相談キャリア相談実績:2,400人以上・6,300回以上
    企業・学校・転職エージェント・心療内科クリニック等
  • 個人・法人向けセミナー・講義実績600回以上
    企業・学校・心療内科クリニック・就労支援機関
  • 心療内科クリニック「キャリアデザイン」講師&「キャリアコンサルタント」
    復職や就職に向けたプログラム(メンタルケア、自己肯定感向上、ブラック企業回避術など)
  • 数多くの失敗や負の経験からの脱却
    転職7回・ニート2年・被パワハラ・事業縮小による解雇等
  • ワークライフバランス重視
    6か月間の男性育休取得、共働き家事育児、家事は料理を担当。遊びもゲームもブランクもキャリア♪ 

ブランク期間=価値のある期間と捉える

不採用通知

ブランク期間は「キャリアの中断」と解釈されることが多い

「ニートやブランク期間がある」といえば、多くの方は仕事をしていない、すなわちキャリアの中断をイメージされるのではないでしょうか。

企業の採用活動においても、多くの採用担当者や転職エージェントはブランク期間について否定的な印象を持っています。

ブランクがあると、健康面や人格面に何か問題があったのか、すぐに仕事モードに突入できるのか、など様々な心配を抱かれます。

そのため、採用してもすぐにやめてしまうであろうと判断され、書類選考で不採用になったり、転職エージェントへの登録ができなくなったりする確率が高くなります。

そのようなこともあり、採用担当者や転職エージェントは、上記のようなリスクの少ない、有償の仕事を途切れることなく継続している経歴を好む傾向にあります。

ブランク期間があっても、ご縁があれば採用される

ちなみに、私の転職回数は7回、そのうちブランク回数は5回、ブランク期間は通算2年、最も長かったブランク期間は10か月。

このような不安定な職歴のため、これまで100通は超えるであろう、たくさんのお祈り通知をいただきました。

全く自慢できるものではありませんね(笑)

書類を送付しても、面接に行っても不採用の連続。

モチベーションが低くなってしまいますよね。

しかし、それでも6回目の転職では、最終的に正職員として大学キャリアセンターの仕事に就くことができました。

このときは、逆に私のブランク期間が評価されました。

このように、ご縁とタイミングが合えば、採用に至ることもあります。

活路は必ずあるものと信じましょう。

ブランク期間は「何もしていない」期間ではない

採用担当者や転職エージェントからはマイナス評価されがちなブランクですが、そもそもブランクの定義はなんでしょうか。

辞書でブランクの意味を調べてみると「空白」とあります。

空白というのは、全く何もしていない時間と解釈できそうです。

みなさんは、「全く何もしていない」という時間を過ごしていますでしょうか。

最低限の生活として「起きる」「食べる」「寝る」ことはされているのではないでしょうか。

睡眠や食事は、健康維持に欠かせない活動の一つで、仕事のパフォーマンスにも影響します。

特に、無職やニートになってしまった背景に、健康状態の悪化が挙げられるのであれば、健康回復に向けて「養生した」活動を続けていることを履歴書でPRしても、罰は当たらないと思います。

このように、何らかの活動を行った結果、経験を得られたことは、無償の活動や有償の仕事に関わらず、すべて価値のある期間として捉えることができます。

もちろん、ブランク期間を価値ある期間としてPRすれば必ず書類選考に通る、という保証はありません。

しかし、せっかく時間を割いて履歴書を作成したり、面接に臨んだりするのですから、書類選考の通過率を1%でも上げるための工夫はしても損はないかと思います。

ブランク期間をキャリアに変える方法

生活スケジュール

ブランク期間での経験と有償の仕事との接点を探る

そんなブランク期間ですが、ブランク期間の過ごし方を丁寧に記載したとしても、先に述べた通り、残念ながら多くの採用担当者や転職エージェントは「ブランク期間が長い=仕事をしていない期間が長い」と捉えるのが現実です。

かといって、それを躊躇して履歴書に何も記載しないのは、相手方にブランク期間の内容や理由が伝わりませんので、それはそれで勿体ないことです。

そこで、いわゆるブランク期間と呼ばれているものを有償の仕事として転用し、採用担当者にキャリアアップとして捉えてもらうための方法をご紹介します。

ニートやブランク期間に過ごしたことを書き出す

この作業で大切なことは、期間や結果にこだわらないこと。

途中で挫折して1日しかできなかったことや、チャレンジしてみたものの失敗してしまったこともすべて財産になります。

ニートやブランク期間の過ごした出来事や経験としては、たとえば下記のようなことが挙げられます。

就職活動や転職活動の経験

求人情報の収集や会社説明会への参加、面接を受けるなど、就職活動や転職活動を行うことも立派なキャリア形成です。

求人情報の収集は、業界や社会理解につながりますし、自分との接点を広げることも期待できます。

また、会社説明会への参加は、採用担当者との話し合いを通してコミュニケーション力が鍛えられます。

さらに、採用担当者に対して自分自身をアピールする面接では、上記に加え、プレゼンテーション力が養われます。

医療機関の利用経験

医療機関を利用した方は、利用前のビフォーと利用後のアフターについて、覚えている限り書き出してみましょう。

通院期間中のことを書いて何の役に立つのかと思っている方もいることでしょう。

なお、精神科や心療内科などのクリニックでは、精神科デイケアやリワークなどを導入しているところもあります。

生活リズムの改善や復職や就労に向けたプログラムを受講した方は、この後にご紹介する学習経験も参考にしてみてください。

就労移行支援事業所の利用経験

就労移行支援事業所とは、障害者総合支援法が定める障害福祉サービスの一つで、一般企業等への就労を目指す障がいを持つ人が、就労に必要な知識や能力を習得したり職業訓練を行ったりする支援機関のことです。

たとえ数日しか利用していなくても、利用する前と利用した後の自分を振り返ってみて、少しでも成長したり、経験したり、習得したりしたことを書き出しましょう。

就労移行支援事業所での経験は、今後の円滑な就職活動や就労が期待できますし、これらの経験を通して得たことなどが履歴書でアピールできますので、条件に合う方は利用の検討をしてみましょう。

たとえば、 【atGPジョブトレ 発達障害コース】 は、自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠如・多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)など、発達障害のある方専門のコースです。

他にも、うつ症状、統合失調症、聴覚障害、難病の4つがあり、障害別に選べるため、ご自分に合ったトレーニングができ、また、同じような境遇にある仲間に出会えるのも特徴の一つです。

就職支援機関の利用

ハローワークや地域若者サポートステーション、先に挙げた就労移行支援事業所、その他の就労支援機関に通所されている方は、利用期間や利用内容、利用して得たことなどをぜひ記載しておきたいところです。

失業手当の受給経験のある方は、ハローワークに就職活動状況を報告されたかと思いますので、その際に活動した求人情報の検索や会社説明会、面接の実績などを書き出してみましょう。

どんなに短い期間であったとしても、きっと何らかの知識や経験を習得されているはずです。

アルバイトやパートの経験

正社員の経験が短い方は、アルバイト経験をPRすることをおすすめします。

しかし、アルバイト経験が短い方でどのようにPRしたらよいか困っている方もいらっしゃることでしょう。

また、アルバイト経験がない方もいらっしゃるかと思います。

そのような方にとっておすすめなのは、1日以上の実績をつくることです。

他人とのコミュニケーションが苦手な方は、まずは可能な限り人と接する機会の少ない仕事かつ単発のアルバイトから始めてみましょう。

単発の仕事が終了したら、その仕事の得手不得手を振り返ってみましょう。

そこに、今後の仕事探しの方向性やPRのヒントがでてきます。

家事の経験

一般的に仕事と言えば、収入のある有償の仕事のイメージを思い浮かべる方が多いことと思います。

しかし、有償であれ無償であれ、何らかの問題を解決するために作業することはすべて仕事と捉えることもできます。

その一つに、家事があります。

例えば、料理をされている方については、食材の買い出し、献立の組み立て、料理の段取り、技術、盛り付け、後片付けなど、一連の流れを通して、キャリアが習得できます。

たとえば、家事を専門とする専業主婦という仕事は、世間一般としてブランク経験と捉えられがちです。

しかし、一方で、専業主婦は一日の労働時間が長いため、その分の残業代による割増賃金を含めて換算すると、年収1000万の価値があると提言されている方もいます。

一見、実務に役に立たなそうな経験も、視点を変えればスキルとして通用することもあります。

育児や介護の経験

家事のほかにも、育児や介護が挙げられます。

特に育児休業や介護休業を取得されている方、また、育児や介護のためにやむを得ず退職をした方は、育児や介護をブランクとして捉えず、ご自身の育児介護内容をリストアップしてみましょう。

たとえば、0歳児の育児でいえば、おむつ交換、ミルク、沐浴、寝かしつけなど、一日のルーティーンワークや突発的な対応など、多くのタスクをこなしているかと思います。

これらの子育ての仕事を通して、どのようなスキルが備わったのか、どのようなことを学んだのか、そしてそれを企業のどのような場面に活かしたらよいかをつなげていくと、接点が生まれます。

学習経験

学びにより知識を習得した経験も仕事に活かすことができます。

たとえば、自己啓発やビジネス関連の読書も立派なキャリア形成です。

ただし、読みっぱなしではなく、読書を通してどのようなことを得られたのか、得られたことを今後の人生や仕事にどのように活かすのか、をセットで考えましょう。

また、学生時代に自分が興味を持った科目や苦手な科目など、過去に印象に残っている学びから得られたものがあれば、それを書き出してみて振り返ってみましょう。

そうすることで、自己理解が深まったり、キャリアの方向性が見えたりします。

自己啓発本のみならず、新聞や小説、雑誌、漫画など、一見キャリアと関係なさそうなジャンルについても、読書を通して何らかの気付きを得たり、知識を習得したりすることがあれば、それはすべてキャリアアップしたものと言えるでしょう。

また、精神疾患や発達課題を抱えた方で、メンタルクリニック内の精神科デイケアやリワークに通っていた方は、それらの学習内容、学習期間、受講を通して得られたことを書き出してみましょう。

趣味や遊び・ゲームの経験

趣味も遊びも仕事に通ずるものがあります。

たとえば、スポーツを例に挙げると、サッカーや野球などのチームスポーツは、職場でいうところのチームワークと接点があるでしょう。

一方、マラソンは自己管理や忍耐力、テニスは戦略、といった具合に、自分のスポーツの向き合い方や、得意な技術などを振り返ってみると、仕事に活かせるヒントが生まれてきます。

また、ゲームについては、ご自身の関心や得意なジャンルによって、PRできる要素が変わってきます。

たとえば、ドラゴンクエストやファイナルファンタジーなどのロールプレイングゲームは、先を読む力や戦略を立てる力、問題解決能力の向上が期待できます。

この経験を仕事に当てはめてみると、競合他社に勝つためにはどのような戦略を講じればよいか、とか、社会問題を解決するためにはどのような戦略を立てると上手くいくか、困難や課題を乗り切るにはどうすればよいか、というスキルが接点となります。

その他の経験

ボランティアや地域活動など、他にも様々な場面での経験を通して得たスキルを仕事に転用できそうかどうか、考えてみます。

ブランク期間で得た知識や経験と今後の仕事との接点を探る

様々な角度からアウトプットしたニートやブランク期間の経験を、今後の仕事にどのように活かせるかを書き出してみます。

具体的な応募企業が決まっている方は、採用担当者に経験やスキルをイメージしてもらえるように履歴書などに記載します。

その際、応募企業で活用できそうなものを記載しましょう。

ブランク期間の経験をいくら魅力的に記載しても、求められる仕事にフィットしない場合は、書類選考や面接で不採用になる可能性が高くなります。

そのため、求人情報を読み込み、仕事内容や求める人材像を理解した上で、ブランク期間の経験をどのように仕事に転用できるかをPRすることがカギとなります。

求人情報の探し方は沢山ありますので、可能性を広げるためにも下記の記事も参考にしてみてください。

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本当に何もなければこれから体験する

それでも、経験が絞りだせない、起きて寝るだけの繰り返しで本当に何にもない、という方については、これから実績を作る方法があります。

1日でもいいから、先に挙げたようなことを体験してみるとよいでしょう。

たった1日でも体験を通して気付くことや得られることが出てくると思います。

その気付いたことや得られたことを、スマホに入力して保存したり、紙に書き出したりしてみましょう。

そして、それを1週間やってみると、体験が経験として財産に変わります。

知り合いやキャリアコンサルタントに相談する

自分の強みは、自分では意外と気付かないものです。

いくら自己分析をやってみても全然自分の強みを発見できない方もいるのではないでしょうか。

そのような時は、他人からの助言をもらうと効果的です。

友人や家族、キャリアコンサルタントなどに相談してみることで、これまで気付かなかった自分の強みが見えてくることがあります。

なお、20代や30代の方は、育成型人材紹介会社のような無料でスキルアップや就職サポートをしてくれるところもありますので、このようなサービスを活用してみてもよいでしょう。

キャリアにブランクは存在しない

キャリアを考える人

少数派かもしれませんが、私は「キャリアにブランクは存在しない」「人は何らかの強みを必ず持っている」という考えを持っています。

これまでにキャリアコンサルタントとして、高校生や大学生、ニート、フリーター、引きこもりの方々など、実人数2,400人以上のキャリア相談を受けてきましたが、強みが抽出できなかった人は一人もいませんでした。

なお、本サイト運営のキャリアリカバー®では、仕事や就職・転職活動などでお困りの方のために、人生が変わるキャリアコンサルティングを行っています。

キャリアカウンセリングの際は、ご相談者の中で有償の仕事を離れた期間のある方については、その期間中の経験について丁寧にお聞きし財産に変え、それを今後のキャリアにどのように活かせるかを一緒に考えながら、次のステップに向かってすすめていきます。

キャリアリカバー®のキャリアコンサルティングに関心のある方は、キャリアリカバー®のホームページもどうぞご覧ください。

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