共働き夫婦の家事分担で、ゴミ出しの仕事を夫が担当しているご家庭も多いのではないでしょうか。
国立社会保障・人口問題研究所の「第6回全国家庭動向調査」によると、夫婦の家事分担における夫の役割に関する妻へのアンケート結果で「夫はゴミ出しをやっている」と回答した妻の割合は約半数を占めています。
『第6回全国家庭動向調査(2018年)』(国立社会保障・人口問題研究所)を加工して作成
夫にとって、出勤のついでに玄関に置かれたゴミ袋を持ってゴミ集積所に出すという作業は、比較的やりやすい家事と言えそうです。
それでは、ゴミ袋を玄関に置くまでの仕事は誰がどのくらいの割合で行っているでしょうか。
前述の調査によると、「ゴミを分類しまとめる」仕事は、76%の割合で妻が主導で行っている、という調査結果が出ています。
妻としては、「ゴミを出すまでのプロセスが結構大変なので、これも夫にやってほしい」「玄関にあるゴミをただ運ぶだけというのはおかしい」と思っている方もいるのではないでしょうか。
一方、夫としては、「仕事で一家の大黒柱を支えている上に、汚物も入っているゴミを捨てに行く。これだけでも十分役割を果たしているのではないか」と思いたくなるものです。
そこで、今回は私たち家族が実際に行っているゴミ出しの役割分担の方法について、ポイントを交えてご紹介します。
特に、家事の役割分担で不公平感を持っている方や、喧嘩や離婚問題に発展してしまいそうな方は、夫婦関係が悪化する前に参考にしてみてください。
なお、「すぐにでも家事育児に関する相談をしたい」という方は、家事育児の問題を解決するためのキャリアカウンセリングを承っていますので、お気軽にご相談ください。
筆者「キャリアリカバー®」プロフィール
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企業・学校・心療内科・就労支援機関 - 心療内科クリニック「キャリアデザイン」講師&キャリアカウンセラー
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転職7回・ニート2年・被パワハラ・事業縮小による解雇等 - ワークライフバランス重視
男性育休6か月取得、共働き家庭、二児の父、家事は料理を担当。遊びもゲームもブランクもキャリア♪
ゴミ出しのプロセスを細分化し、作業内容を明確にする
ゴミ出しの仕事は、玄関に置いてあるゴミをゴミ集積所に運ぶ前の工程が意外と多くあります。
そこで、まずは下記を参考に、ゴミ出しのプロセスを細分化し、作業内容を明確にしたうえで、それぞれの検討ポイントを洗い出してみましょう。
step
1 各部屋ごとのゴミ箱の仕様を決める
検討ポイント
- 設置場所:リビング、各部屋、キッチン、洗面所で十分か。
- サイズ:設置場所に見合ったサイズか。
- デザイン:インテリアを損なわないテイストか。来客があっても問題ないか。
- 機能性:ふたの有無はどうか。開閉用ペダルは必要か。水回り対策やにおい対策は必要か。
- 予算:お金をかけるところとかけないところのバランスはどうか。
- 上記について家族で話し合ったか。
step
2 "step1"で決めたゴミ箱を購入する
検討ポイント
- 使用感を直接確かめられるホームセンターやインテリア雑貨ショップで購入するか。
- 運搬の手間がかからないインターネット経由で購入するか。イメージと異なる商品が届くリスクが発生する可能性があるが、問題ないか。
- 不燃物や瓶・缶などを入れるゴミ箱はどの仕様のものを購入すればよいか。
- ゴミ箱に設置するビニール袋は誰が買いに行くのか。
- 上記について家族で話し合ったか。
step
3 各箇所に購入したゴミ箱を設置する
検討ポイント
- 各部屋のどのあたりに設置するか。導線はどうか。
- ゴミ箱にビニール袋をかぶせるか、かぶせないか。
- ビニール袋はスーパーの袋か、業務用(30L・45L)か、おしゃれなものか。
- 上記について家族で話し合ったか。
step
4 ゴミ箱にゴミを捨てる
検討ポイント
- ゴミ箱からゴミはあふれていないか、見栄えは問題ないか。
- 適切なゴミ箱に適切なゴミを捨てているか。
- 捨てられていないゴミはまわりにないか、床やテーブルなどにゴミが置かれていないか。
- 上記について家族で話し合ったか。
step
5 各箇所のゴミ箱内のゴミを1か所に集める
検討ポイント
- ゴミ箱にかぶせるビニール袋ごとゴミを捨てるか。ビニール袋は残してゴミだけ捨てるか。
- ビニール袋ごとゴミを捨てた場合、新しいビニール袋は誰がかぶせるか。
- ビニール袋はスーパーの袋か、業務用(30L・45L)か、おしゃれなものか。
- 生ゴミを集めたビニール袋から水分が漏れないように、どのようにまとめるか。
- 集めたゴミを一時的に置く場所はどこか。
- 各箇所のゴミを集めるタイミングはいつか。どの程度ゴミが集まったら捨てに行くか。
- 上記について家族で話し合ったか。
step
6 ゴミ集積所にゴミを運んで捨てる
検討ポイント
- ゴミはいつ誰が捨てに行くか。不燃物はどうするか。
- ゴミ収集日が夫婦ともに休日にあたる場合、誰が捨てに行くか。
- 粗大ゴミは誰が手続きをするのか。いつ捨てるのか。
- STEP1~STEP6のプロセスのうち、課題はないか。
- ゴミを発生させないためにどのような工夫をしたらよいか。
- 上記について家族で話し合ったか。
家族全員で話し合い、ゴミ出しの仕事を役割分担する
細分化した仕事内容と検討ポイントを家族で共有する
ゴミ出しのプロセスやポイントをかなり細かく記載しましたが、いかがでしょうか。
今回は「ゴミ箱の仕様決め」「ゴミ箱購入」「ゴミ箱&ゴミ袋設置」「屋内でのゴミ捨て」「ゴミ集め」「ゴミ集積所へのゴミ運び」の6ステップに分けてみました。
こうしてみると、ゴミ出しの仕事は、「ゴミ出し=ゴミ集積所へのゴミ運び」以外にも、やるべき仕事が沢山存在することが分かります。
ゴミ出しのプロセスが細分化できたところで、次にやることは、ゴミ出しの仕事や検討ポイントについて「家族で共有する」ことです。
家族同士での話し合いがなされていないと、暗黙の了解で特定の人の役割が多くなったり、誰もやらなくなったりする状況になる恐れがあります。
このようなことは、実際の職場でもありそうな光景ですよね笑
この後の役割分担に悪い影響を与えないためにも、ゴミ出しの仕事や検討ポイントについて家族間で共有しておくことが大切です。
もちろん、お互いに細やかな気遣いができ、家事や育児が上手く回っているご家庭については、そのような心配はないかも知れません。(素晴らしいことですよね!)
役割分担はガチガチにしないほうが吉
しかし、いつも以上に忙しくなってしまったり、リズムがくるってしまったりすると、良い関係性をキープすることが難しくなることも考えられます。
そのような時に備えて、ある程度の役割分担を明確にしておくこともありかな、と思っています。
役割分担を明確にする際、ガチガチの担当制にしてしまうと、ギスギスした生活を送る羽目になる可能性があります。
そこで、まずは、いわゆる「名もなき家事」や「見えない家事」がこれだけあるんだー、という認識を家族全員に持ってもらうことです。
そして、「気付いたらやろうね」とか「みんなでやろうね」など、全員が当事者意識を持つような環境をつくると上手くいく可能性が高まるでしょう。
家事分担の際は、夫婦だけでなく、子どもとも話し合う
また、お子さんのいるご家庭で、お子さんが子ども部屋を持っているご家庭もいらっしゃるかと思います。
その場合は、お子さんも交えて一緒に話し合いを設けても良いかもしれません。
子ども部屋を持っているお子さんの中には、「自分の部屋には好きなキャラクターのゴミ箱を置きたい」など、自分好みのゴミ箱を設置したいニーズがあるかと思います。
話し合いがなされていない状況で、勝手に子どものゴミ箱を購入してしまうと、子どもから「デザインが気に入らない」などと反発されてしまう可能性もあります。
そうなってしまうと、子どものゴミ捨てのモチベーションにも影響しますので、ここは家族全員で話し合う機会を設けたほうが得策です。
ちなみに、我が家には二人の娘がいますが、5歳くらいの頃から、月に1回程度、娘たちの工作物やおもちゃ、終わったドリルなどを処分する時間をつくっています。
家事の中ではネガティブ作業の一つになりがちな「ゴミ出し」ですが、役割分担だけにこだわり過ぎると喧嘩ばかりになってしまいます。
家族間のコミュニケーションを円滑にするチャンス、住み心地を良くする、あるいはインテリアコーディネートのためのきっかけと捉えて、ワイワイ話し合いながら、楽しいゴミ出しライフを送れるといいですね。
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